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Calling Spirits / FORTUNE
失恋船長 ★★★ (2025-05-24 22:02:19)
あれ?他にも沢山発言者がいたんだけどな?何故か消えている。次のアルバムも消えている気がする?うーん、ミステリー。
やたらめったら評判の悪いアルバム。典型的なやらかしだと、所謂メタルバンドのグランジ化と烙印を押された一枚。個人的にもリリース時はチェックしておらず、2000年代に入って聴いたのが初めてだったのだが、個人的には世間がやり玉に挙げたグランジ/オルタナムーブメントからの影響など、もはや2000年代に論じても仕方が無い事となり、この時代の新譜なんてもっとモダンなモノばかりだった。あと北欧のエクストリーム系が凄くグロウル全盛だったねぇ。
個人的にベニー・ソダーバーグの青臭くて堅い声質が得意ではなく、1stの音楽性もちょっと歌声がズレていると思っていました。そして今作のギターが前目に出たラフさが、ベニーの作り上げる甘い旋律と絶妙な絡みを魅せ、前作よりも明らかにフィットしている。今作の問題点はリズムプレイの単調さが際立つ。そういう作風なのかも知れないが、元々日本でしか契約がなかった中でのリリース。ZEROコーポレーションと言えば、解散したバンドがさも現役のような振る舞いでアルバムをリリースしていたので、今作リリースの経緯が知りたい。
全編にわたり包まれるベニーの甘い旋律、これぞ北欧メタルと呼ぶに相応しい哀メロを軸に組み立てている。どこを切っても北欧メタルであり、チョットでもダークさや、けだるさがあるものは許せないという、価値観の人や、当時、恐らく叩かれたのでしょうね?そういうメディアに全乗っかりして、人生を決める盲目な信者でもなければ、このバンドも本質を深掘り出来る音楽性だと認識出るでしょうね。
個人的には避けてきた分けではないのですが、今なら無料で聴けるので再確認させて頂きました。
ちなみに今、配信されているのは1996年にEmpire Recordsから再発された曲順になっています。この方が断然視聴感が良いですね。
1.Shakespeare's Nightmare
2.Trailblazer
3.Desperado
4.No For An Answer
5.Freedom
6.Calling Spirits
7.Be My Lover
8.Stay
9.Preacher Man
グランジ/オルタナムーブメントに感化して駄作を連発した大御所から中堅達、あの忌々しい事象を思い出すと苦々しい思い出しか出てこないのですが、このバンドは上手く立ち回りましたね。日本以外のリリースが北欧しかないという不運もあり、全然知られていないのですが、もっと認知されるべき作風ですね。ノリが良く子供っぽい曲もないので、大人が聴いても恥ずかしくないメロディックスタイルを堅守しています。
しかし上手いことやってんなぁ。見事にグランジ/オルタナムーブメントを乗りきったねぇ。取り込まれず、取り込んだのはお見事です。北欧メタルでありながらも大胆にムーブメントを取り込んだ意欲作。この程度で切り捨てられたら、今のEUROPEなんて聴けたもんじゃないよ。
今更なんですけど、悪評を怖がらずにフラットな気持ちで聴いて欲しいねぇ。リリース時を考えると、たいしたもんだと思いますよ。
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